ドローンを屋外で操縦する場合、航空法をはじめ、小型無人機等飛行禁止法、道路交通法など様々な「法律」や地方公共団体が定める「条例」を遵守しなければなりません。
ドローンを操縦し、副業などに活用する方にとっては、必ず理解しておかなければならない内容になります。
私は専門家でも法律家でもないので、詳しい内容まで解説することはできませんが、この記事では、「こんな法律があり、手続きが必要なんだ」ということを理解してもらえればと思います。
法律以外にも「マナー」を守ることが求められます。安全に飛行させることはもとより、ドローン利用者以外の方への配慮も怠らないようにしましょう!
法律…苦手だな….
まずは、どんな法律が関わってくるのかだけでも覚えておこう!
こちらの記事は「2023年10月22日時点」の法律に関しての解説になります。私自身の解釈も含まれてますので、内容を保証するものではなく、一切の責任は負いかねますのでご了承ください。
最新の法律・条例を確認の上、最終的な判断は自身でお願いいたします。
航空法
「航空法」とは、航空機や無人航空機(ドローン・ラジコン機など)の航行の安全を確保するための規制を定めた法律です。
航空法では、航空機の航行の安全に影響がある規制対象となる「飛行の空域(飛行させる場所)」や「飛行方法(飛ばし方)」に関する規制が記載されており、ドローンを操縦するうえで、一番理解しておく必要がある法律といっても過言ではありません。
小型無人機等飛行禁止法
小型無人機等飛行禁止法は、国会議事堂、皇居などの重要施設に対する危険を未然に防止するため、これらの重要施設及びその周囲おおむね300mの周辺地域の上
空における小型無人機等の飛行を禁止しています。航空法とは異なり、100g未満の機体も対象となります。
道路交通法
「道路交通法」とは、道路における危険を防止するとともに、交通の安全と円滑を図ることを目的とした法律になります。ドローンを飛行させる上で重要になるのは、道路交通法第76条です。
道路交通法第76条では、「何人もいかなる場合にあっても交通の妨害となるような方法で物をみだりに道路に置くことや、道路上の人や車を損傷させる恐れのある物を投げるなどの行為」は禁止されています。
例えば、以下の行為は交通障害の恐れがあるので「道路交通法違反」になります。
・無人航空機を道路上で離着陸させる。
・道路上を4.1m以下で飛行する(道路法で車両の高さは、4.1mまでと定められている)。
必要に応じて、所轄警察署から「道路占用許可」または「道路使用許可」の許可を得る必要があります。
「道路使用許可」は物を設置すること自体、もしくは物の設置に限らず一般的な通行以外の方法による道路使用行為に対しての許可です。
「道路占用許可」は物を道路に設置し、継続的にその部分を使用することに対しての許可ということになります。
例えば、看板の設置工事のために一時的に道路を使用する場合に必要なのが、「道路使用許可」。その看板を継続的に設置する際に必要になるのが、「道路占用許可」です。
河川法
河川法は、河川敷も含めて河川の管理について定められている法律になりますが、ドローンの飛行を明確に制限する規定はありません。
そのため、河川法の規定から直ちに無人航空機の飛行が禁止されることはありませんが、一部の河川利用者の安全や快適な利用を妨げるなど、「適正でない利用」と認められる場合には河川管理者の管理権により、自粛を求められたり禁止をされる例もあります。
無人航空機の飛行を「自由使用の原則の範囲内」と認めつつ、河川管理者へ事前に一時使用届を提出することで、飛行可能という例も見られます。
このように、河川周辺で無人航空機を飛行させたい場合、場所やケースにより状況が異なりますので、当該の河川事務所へ必ず確認するようにしてください。
海岸法・港則法・海上交通安全法
河川の使用と同様に、海岸においても自由使用の原則が認められていますが、海岸管理者の管理行為による制約を受けることがあり、事前に海岸一時使用届の提出を求められる場合があります。
海水浴場が設けられている場合、海水浴場の管理者の管理行為による制約も受けることになります。施設の設置者による管理が別途行われているケースもあり、無人航空機の飛行が制限されることは十分にありえますので、事前に確認することを推奨します。
また、海上で無人航空機を飛行させたい場合、船舶交通の安全を目的として定められている港則法・海上交通安全法には無人航空機の飛行そのものを規制する条文はありませんが、船舶交通の安全に支障を及ぼす恐れがある場合、法律上「作業」に該当すると見なされる場合があります。
その場合、港長や海上保安庁長官への届出が必要となります。同じく事前の確認を怠らないようにしましょう。
重要文化財保護法
「重要文化財保護法」は重要文化財を守るための法律になりますが、明確に無人航空機を規制するルールは記されていません。
しかし、2022年12月5日に改訂された「国土交通省航空局標準マニュアル」内において、不特定多数の人が集まるため無人航空機を飛行させない場所の例として、「寺社仏閣、観光施設など」が新たに明記されました。当該施設から飛行の依頼があった場合を除き、国が指定した重要文化財周辺などでは飛行させないようにしましょう。
電波法
ドローンを操縦する上で気を付けなければならないのは「技適マーク」の有無です。
日本で流通しているドローンは、国内の電波法に適合している総務省確認済の適合証明として技術基準適合証明マーク(通称:技適マーク)のシールが貼られています。海外で購入したドローンやプロポはこの技適マークが無いものもあり、そのまま飛行してしまうと電波法違反となります。
技適マークが無いモデルは5GHz帯となり別途資格等が必要です。まずは難しく考えずにドローンを飛ばしてみたいという方は、技適マークが付いているモデルの使用がおすすめです。
民法
無人航空機に関連するのは、主に民法207条で規定されている「土地所有権の範囲」という条項で、その中には次のように規定されています。「土地の所有権は、法令の制限内において、その土地の上下に及ぶ」。
つまり、土地の上空には所有権が認められているため、他人の土地で無人航空機を飛行させると「所有権の侵害」に該当します。また、法律の解釈として「地上からおおむね300m」というのが所有権の上限とされています。
航空法で規制を受けた場所などで無人航空機を飛行させる際には事前に国土交通大臣の許可・承認を受けなければなりませんが、この許可・承認に基づいて、他人の土地の上空で無人航空機を飛行させることはできないので注意してください。
他人の土地の上空で無人航空機を飛行させるには、「土地所有権を持つ人の許可を得る」ことが不可欠です。
予定する飛行ルートが他人の土地の上空を通過する場合には、事前に許可を取るようにし、許可が取れない場合は飛行ルートの見直しなどを検討しましょう。
その他の法律・条例等
上記で説明した法律以外にも、第三者の顔や車のナンバープレートなど、個人を特定できる要素が写り込んだまま無許可でインターネットへアップロードすると個人情報保護法に抵触するだけでなくプライバシー、肖像権の侵害にあたる場合があります。
また、住居の中などのように一般的に個人が第三者から干渉されたくないと思われるものが写り込んだ動画や画像を勝手にアップロードすると、プライバシー権を侵害されたとして訴訟を起こされるなどトラブルに発展する恐れもあります。
もしも、上記に該当する要素が写り込んだ画像や動画をアップロードする場合、本人から許可を得るか、ぼかしを入れたり解像度を落としたりなど加工を施すようにしましょう。
また、公園条例では、主に各地方自治体等が設置している公園における管理方法を定めたものであり、無人航空機の飛行規制を行っている自治体も多数あります。
県が公園で無人航空機のフライトを禁止していなくても、市町村単位で禁止し罰則も設定されているケースもあるので注意しましょう。
飛行可能かどうか確認したい時は、自分が飛ばしたい公園をインターネット検索すれば、ホームページに公園管理事務所等の管理者情報が記載されていますので、電話やメールで確認するようにしましょう。
まとめ
ドローンを購入したら自由に屋外を飛ばすことができると考えている方も多くいると思いますが、規制や制限も多く、承認を得ずに飛行させた場合は、罰則を受けることもあります。
どこで飛ばしたらいいか悩んでしまう方も多いと思いますが、そんな際は飛ばせる場所を一目でドローンマップを表示できるアプリやWebサイトがおすすめです。
ここでは、一部を紹介しますので、自分にとって使いやすいマップを入手しておきましょう
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